13年09月02日 その2
8時25分、出航シークエンスに入る
次々とホーサーが投げ入れられ
ウインチで迅速に巻き上げられる
アンドッキング しかしマジでとんでもない色だなこりゃ 宮古や八重山を超えてる 地形上ビーチはないけど、もし造れたら日本一だろうね
で、サイドスラスターを使って180度回頭
エンジンが唸りを上げて出発進行
30分もしないうちに
南大東島が見えてくる
南大東島 面積:30.57ku 海岸線長:21.20km 最高標高75.00m 年間平均気温:23.7℃ 年間平均降水量:1638mm 年間平均風速:4.5m/s 人口:1292名(2010年現在) 主な産業:さとうきび栽培 特産品:オオヒキガエル/ミヤコヒキガエル 沖縄本島の東方約360kmに位置する"絶海の孤島"
この人が格好よくてねえ 船長だと思うんだけど、常に笑顔で乗客と接する 海の男はいいねえ
さあ、ついに上陸だ
ん?
カラフルすな〜
おまけに鏡張りで吊り革付きとは
なんとも無駄な装飾だこと
おおおおおおお
あああああああ
ひいいいいいい
死ぬかと思ったー
こうしてついに大東諸島に上陸したおれだが、ここからが困難の連続だった とまりんのおばちゃんにチケットは乗船当日の11時までに買う必要があると聞いてたので 港湾作業員を捕まえ"チケットが欲しいんですけど"と伝えたところ、驚愕の言葉が返ってきた 「ここじゃ買えないよ」 以下、一字一句完全再現でお届けしよう 「じゃあどこで買えるんですか?」 「西港」 「え? ここ西港じゃないんですか??」 「北港」 「あ、でも、だったら16時の出航もここからですよね?」 「もちろん」 「なのにここじゃチケット買えないんですか?」 「そう」 「ガビーン」 言っちゃったよ ホントにガビーンって言ったのおれが人類初じゃないか?
なんてアホなシステムなんだ 南大東島には3つの港があって、天候や海況によって着岸する港を選ぶことになってる だから乗客に何ら説明もなく北港に着岸するのはある意味仕方がない でも、乗船券は常に西港で扱うというのは明らかにおかしい 金をもらって紙を渡せば済むことに、なんでそんな手間隙を要求するんだ
このときすでに10時10分 リミットの11時までに西港へ到達するには車両運搬具を利用するしかない そこで再度作業員を捕まえ島内の交通手段を尋ねたが、またも驚愕の言葉が返ってきた 「何もないなあ」 以下、一字一句完全再現でお届けしよう 「バスはないんですか?」 「ない」 「タクシーは?」 「ないない」 「あ、じゃあレンタカーは?」 「集落に行かないとないなあ」 「レンタサイクルも?」 「このへんにはね」 「ガビーン」 また言っちゃったよ この島で流行っちゃったらどうすんだよ
そりゃあ八丈島だって港には満足な移動手段がないよ でも電話1本でタクシーを配車してくれるし、1kmも歩けばバス停だってある 八重山の島々なら港の周辺に必ずレンタカー屋があるし 200円でチャリ借りるだけでちゃんと送迎してくれる なのになんだ、この島は あとで聞いた話だけど、この島、昔あったシュガートレインを復活させるんだって 観光客誘致のために いや、あのね、来るわけないでしょ よそ者には徒歩しか移動手段がない島になんて 地元の人々も冷たいわ〜 おれと作業員との会話が聞こえてないはずがない アメリカ人みたいな大げさなゼスチャーで困ったアピールしてるのに リアリィ〜?みたいな なのにチラリとも目線を送らないとは、ちょっと冷たすぎるわ〜 いや、別に乗せてくれと言ってるわけじゃないんだよ 若いねーちゃんじゃないんだし、そこまで厚かましくない でも、「どうしたの?」くらい言ってくれてもよくない? まあ、シャイなだけって可能性もあるけどさ
北港から西港まで約5km 気温31℃、湿度70% 荷物は8kg 飲料はペットボトル1本
歩いたる
上等だよ、歩いたる
たかが5kmくらい40分もあれば何とかなる なるのか?
歩くのはいいけどこれは勘弁してくれよ〜 これ、カエルの死骸だよ〜 この島にはヒキガエルの死骸が至るところに転がってる 形をそのまま留めてるもの、ぐちゃぐちゃになってるもの、ぺったんこになってるもの どれもこれも体長15cm以上で、下をベロンと出し、2mとか3mごとに道路に転がってる いや、貼り付いてる
どうやらさとうきび畑の害虫駆除のために持ち込まれたようなんだけど それが異常繁殖し、駆除する方法もなく、こんなことになってしまっているらしい 最悪なのは、村役場がこれを放置してること バーカ おめーそれでよく観光客ガーなんて言えるな シュガートレインの前にクリーンロードだろバーカバーカ
そんなわけだから今回の撮影には気を遣った カエルの死骸が見えない場所だけシャッターを切った やむ得ない場合は画像の一部を加工してる もー大変な手間だよ〜
何が悔しいって、歩行中、何度となく車が通り過ぎて行ったこと その数、30数回 半分が土建屋のトラックで、半分が村役場の軽自動車だった
南大東島は離島の常識に漏れず、財源は国や県に依存しまくり なにしろ歳入の79%が依存財源だからね
だから公共事業がすげーの あちこちでガーガーやってる
無論そういう自治体は公務員天国でもある 何がそんなに忙しいのか知らんけど、役場の車で飛び回ってるよ
こんな細身のイケメンが今にも死にそうに歩いてるのに 誰ひとり声をかけてくれないんだからなあ
だったらせめてカエルの死骸くらい片付けて欲しいわ〜 公務員なんて毎日がエブリデー、違った、毎日がホリデーみたいなもんなんだから
やっと西港が見えてきた〜 ここまで30分だよ
時速に換算すると10km/hか 一般的な歩行速度が4km/hだから、その2.5倍 ほとんど競歩だよ〜
くっそー こいつら毎日2分くらいしか仕事してないんじゃないか? うらやましい
あーなんとかゲットした〜 もう歩くのヤだ〜
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